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歯に関するアドバイス

2018/08/03

歯科治療が原因?金属アレルギーについて

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日本の歯科治療では、詰め物や被せ物に金属が多く使用されています。ただこれらの金属が原因でアレルギー症状を引き起こす場合もあるので注意が必要です。

今回は歯科治療と金属アレルギーについてお話ししていきたいと思います。

 

 

金属アレルギーとは

金属アレルギーといえば、ネックレスや指輪を身につけた時に皮膚にあらわれる赤みやただれ、湿疹などが代表的な症状として知られています。ではなぜ金属が触れた部分にこのような症状があらわれるのか、まずご説明していきましょう。

体の中に細菌やウィルスなどが入り込んだ時、私たちの体はそれらの外敵から身を守ろうとする「免疫」という機能を備えています。その免疫機能が過剰に反応しすぎて起こってしまうがアレルギー反応です。

例えば食物アレルギーでは、外敵ではないはずの食べ物を体が「有害なもの」として攻撃していまい、それが原因で思いもよらない症状を引き起こしてしまいます。これと同様に、金属アレルギーの場合は体が金属を異物として攻撃した結果、皮膚や粘膜に赤みやただれを生じさせてしまうのです。

アレルギー反応には5つのタイプがあり、金属アレルギーはこのうち「遅延型アレルギー」に分類されます。遅延型アレルギーは、アレルギーの原因となる物資が体内に侵入してから体に反応があらわれるまでに少し時間がかかる(24~72時間)アレルギーです。これとは反対に、花粉症や蕁麻疹など原因物質が体内に入り込んでからすぐに症状があらわれるアレルギーは「即時型アレルギー」に分類されています。

 

歯科治療と金属アレルギー

皆様もご存知のように、歯科治療では主に保険治療において多くの金属が使用されます。そして金属アレルギーはこの被せ物や詰め物の金属が原因で発症するケースもめずらしくありません。そのため歯科治療の金属が原因となるアレルギーは、通常の金属アレルギーとは別に「歯科金属アレルギー」と呼ばれることもあります。

歯科の保険治療で使用する金属は安価であるため、治療費を安く抑えられるのがメリットです。一方でこれらの金属は耐久性に劣るため、環境変化の激しいお口の中でその成分の一部が溶けだすことがあります。

この溶けだした金属がアレルギーの原因となり、歯ぐきや粘膜がただれたり、赤く腫れたりといった歯科金属アレルギーの症状を引き起こします。

 

歯科治療による金属アレルギーは全身に症状があらわれることも

金属アレルギーは基本的に金属の触れた部分にのみ症状があらわれます。しかしお口の中の金属が原因でおこる歯科金属アレルギーは、溶けだした金属が体内に運ばれ全身にも症状があらわれる場合もあるので注意が必要です。

金属の中でもニッケル、クロム、コバルトなどは体の中に吸収されると、手足に膿の入った水ぶくれが多数できる掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)を発症することが知られています。またその他にも皮膚全体に湿疹やかゆみ、赤みなどを生じさせることもあります。

このように金属が体内に侵入することで全身的な症状を招くアレルギーは「全身型金属アレルギー」と呼ばれ、歯科の金属もその原因になることがわかっています。ただし全身型金属アレルギーを引き起こす金属はチョコレートやココア、豆類などの食品にも含まれるため、症状を改善するためにはまず原因を正しく分析することが重要です。

 

もし歯科金属アレルギーの疑いがあったら・・・

金属アレルギーは症状があらわれるまで多少の時間がかかるため、その原因が何であるかを判別するのが非常に難しいこともあります。ただ次の項目が当てはまる場合は、歯科治療が原因による金属アレルギーを疑います。

①歯ぐきやお口の粘膜に、痛みや赤み、ただれなどがみられる
②全身の皮膚にかゆみや赤み、水ぶくれ、湿疹などがみられる
③①または②の症状の出現が、歯科治療後である(症状がでた時期と治療歴が一致する)

ただこの段階ではまだ「歯科金属アレルギーの疑い」という段階に過ぎないため、正確に診断するためには次に本格的なアレルギーの検査を受けなければなりません。具体的には「パッチテスト」と呼ばれる検査で、アレルギーの原因となる具体的な物質を特定していきます。

 

歯科金属アレルギーとメタルフリー治療

歯科治療で使用した金属がアレルギーの原因と特定されたら、それらの金属を取り外し、他の詰め物や被せ物に置きかえる治療をはじめます。使用されるのは、コンポジットレジン(プラスチック樹脂)やセラミックです。

コンポジットレジンは保険が適応できるため治療費は安くなりますが、強度がないため小さな詰め物の治療に限られます。セラミックは歯科材料の中で最も品質が良く、見た目や強度に優れています。ただセラミックは保険が適応できないため、費用が高額になるのがデメリットです。

歯科金属アレルギーはすべての人におこるわけではないため、金属で治療してもほとんどの方は支障をきたすことはありません。しかし一方で現在日本の歯科医療で使われている金属の中には、海外で使用を禁止されているものが含まれているのも事実です。欧米ではこれらの金属の長期的使用が体に何らかの影響を及ぼすのではないかと危険視されています。

日本においてもその可能性を危惧し、金属を一切使用しない「メタルフリー治療」を推奨する歯科医が増えてきています。当院でも金属アレルギーの方、金属にご不安のある方には金属を使用しない治療メニューをご用意しておりますので、お気軽にご相談ください。

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