こんにちは熊谷市の歯医者、ヒデ歯科クリニックです!
ズキズキとした歯の痛みを経験された方は多いと思います。さらに、治療のために訪れた歯科医院でも痛い思いをすると、「もう二度と歯痛は嫌だ!」となりますよね。
治療での痛みを想像すると憂鬱になり、ついつい受診を先延ばしにしているうちに、症状が悪化してさらに歯の痛みが激しくなる悪循環に陥っていませんか?
ところで、歯の痛みの原因については、歯に問題がある場合と歯の周辺にトラブルが起きている場合とがあります。
今回は、歯そのものが原因で起こる痛みのメカニズムをご説明します。
<歯の痛みを引き起こす様々な疾患や痛みの発生箇所>
歯の痛みを訴える患者さんのほとんどが、歯そのものに何らかの問題を抱えています。
口腔内の痛みの発生箇所は、象牙質・歯髄・歯根膜・歯肉・歯槽粘膜に分類されます。
痛みの原因となる疾患としては、むし歯や根尖性歯周炎、歯周疾患、外傷などが挙げられます。
歯の表面を保護するエナメル質の内側には、象牙質という硬組織が存在します。
硬組織は構造が硬く痛みが出にくいイメージがありますが、象牙質には象牙細管と呼ばれる細い管が放射線状に走っており、歯髄にもつながっています。
そこから歯髄の神経が刺激されると痛みを感じます。
象牙質の痛みの特徴は、熱いものや冷たいものを食べたり飲んだりしたときに瞬間的に走る鋭い痛みです。甘いものや酸味のあるものでも痛みを感じる場合があります。
熱いコーヒーを飲みながら冷たいアイスクリームを食べるなど、口内で極端な温度変化が起きると健康な歯でも違和感を覚えることがありますね。
これは「知覚過敏」と言われる症状で、歯髄の神経が過敏になっているため、外側からの些細な刺激にも過剰に反応して痛みを感じます。
「どの歯が痛みますか?」と患者さんに問診しても、はっきりと患部を自覚することは難しいでしょう。トラブルを抱えている歯の周辺をお答えになる患者さんが多く、なかには上下の歯を勘違いしているケースもあります。
患部を特定する方法としては、患者さんが痛みを訴える周辺の歯に対して、1本ずつ刺激を与えていき最も痛む歯を探ります。
また、むし歯の治療で詰めた詰め物が合っていない・エナメル質が溶けている・歯の損傷・歯肉が下がり象牙質がむきだしの状態になっているなども痛みの原因になります。
このようなケースでは、探針で触れながら痛みの元となっている歯を特定していきます。
象牙質まで虫歯が進行したために起こる痛みに対しては、患部を削ったあと詰め物をする処置を行います。
歯肉が下がったために歯根の象牙質が露出して知覚過敏を起こしている場合の治療方法は様々です。まずは象牙質の周辺を清潔に保ち、酸性の飲食物は避けてください。
次に、露出した象牙質を刺激しないように歯根面を覆う処置を行います。
知覚過敏専用の歯磨き粉を使うと、痛みが軽減されます。
あらゆる歯の痛みのなかでも、最も激しく辛いものは歯髄の痛みです。
歯髄(歯の神経)が痛む主な原因は、虫歯の進行により細菌が歯髄にまで達するために神経が炎症を起こすものです。その他の原因としては、外傷による歯の欠損やむし歯の治療時の刺激によるものなどが挙げられます。
歯髄に炎症が起こると耐え難いほどの痛みに襲われます。外部からの刺激や患部への加圧によってはさらに痛みが増幅され、痛みが治まるまでには数十分を要します。
歯髄炎の痛みは原因になっている歯だけではなく、頬や耳、頭にまで広がるため、患者さん本人が痛みの箇所を的確に把握することは難しいでしょう。
また、鈍痛が長時間にわたって続く場合もありますし、就寝時に突然激しい痛みに襲われる場合もあります。ただし、歯髄が原因で起こる痛みは月単位で続くものではなく、数時間~数日で治まります。
治療の際は、まず痛みの原因となっている歯を突き止め、歯髄の状態を確認したのちに適切な治療方針を決定します。歯を特定するための処置は、外部からの少しの刺激でも激痛が走ることがあるため慎重に行う必要があります。
歯髄の状態を正確に診断するためには、複数の診査結果を総合的に判断しなければなりません。「歯を軽めに叩く」という一見簡易的な方法でも、患部の特定や歯髄の炎症の範囲など重要な情報が得られます。
歯髄の状態によって、歯髄を残すのか除去するのかを判断します。
歯髄を取り除いた場合は、さらに根管治療が必要です。歯髄炎の痛みは、歯髄の除去後にすぐに消滅します。