歯並びの乱れや噛み合わせの悪さは、私たちの心と体に大きな影響を及ぼします。
今回は、歯並びや噛み合わせが心身にどう関わってくるのかを考えます。
歯並びの乱れ、特に人から見える部分の歯がジグザグに生えていると、強いコンプレックスを感じる方がいます。笑顔に自信が持てなくなり、人前で話すことも苦痛になり、気づくといつも自分の口元を手で覆う癖がついていた、という方は少なくありません。
もちろん、歯並びや噛み合わせが悪い方の全員がこのように自信を失くしてしまうわけではなく、その方の性格や価値観によるところが大きいと言えます。
歯並びや噛み合わせの問題が人生を左右することもあります。矯正治療のメリットは、歯並びや噛み合わせが整い見た目が美しくなることに加えて、突出している前歯を正常な位置に戻したり逆になっている噛み合わせを治したりすることで口元や横顔の印象が変わる点です。矯正治療で前歯の位置を調整することで、長年のコンプレックスから解放され、前向きに人生を歩めるようになったという患者さんの声をよく聞きます。
矯正治療を終えた患者さんは、治療前と比べると格段に表情が明るくなり、心からの笑顔を見せてくださいます。その清々しい笑顔は、患者さんの今後の交友関係やキャリアに大きく貢献してくれるでしょう。治療を終えた患者さんの笑顔を見ると、歯科医師としてこの上ない喜びを感じます。歯並びの乱れや噛み合わせ、口元の印象などでお悩みの方は、当院までお気軽にご相談ください。
歯が入り乱れたように生えている場合は、歯ブラシが届きにくい箇所ができてしまい、気を付けていても磨き残してしまいがちです。口の中に残った食べカスは、虫歯や歯周病の原因になります。
また、噛み合わせが悪い方に時々見られるのが、口が自然に開いてしまうケースです。
このような場合は、口呼吸が癖になってしまうため、お口の中が乾燥しがちです。口腔内に存在する細菌を流して取り除く役目を果たす唾液が少なくなると、虫歯や歯周病のリスクはグッと高まります。
歯並びを整え、前歯を正しい位置に戻すと、無理なくお口を閉じることができるようになります。矯正治療は見た目の美しさを向上させるとともに、口腔内を虫歯や歯周病に罹りにくい状態に導く治療といえます。
歯並びの乱れや噛み合わせの悪さは、咀嚼効率を低下させます。
物を噛むときに上下で噛み合っている部分の歯が少ないため、正常な歯並びと比べると同じ回数を噛んでも食べ物はしっかりと噛み砕けていません。矯正治療で噛み合わせを改善すれば、咀嚼効率も同時に改善され、胃腸にかかる負担が軽くなります。
前歯の噛み合わせの悪さが原因で、話すときにある特定の音が発音しづらくなる場合があります。また、物を飲み込むときに上下の歯の間から舌が出てくるような歯並びの状態は、噛み合わせに悪影響を及ぼします。
咀嚼効率の問題とともに、「話す」「飲み込む」といったお口の機能にも、歯並びや噛み合わせは深く関わっているのです。
歯並びの乱れや噛み合わせの悪さが、実は顎の関節にまで影響を与えることはご存じでしょうか?
顎が痛む、口を閉じたり開けたりするときに顎の関節がポキポキと鳴る、口を開けるときに違和感を覚える、肩や首がこるなど、これらはすべて「顎関節症」の症状です。
顎関節症は、様々な要因が積み重なることによって発症すると言われています。
顎関節症の原因として考えられているもの
以上のような原因が複数重なることで、顎関節症が引き起こされます。
噛み合わせに異常があるから顎関節症になるわけではなく、噛み合わせが悪いお口の状態にある方に大きな心理的負担がかかったり、歯ぎしりや頬杖などの癖があったりすると、顎関節症の発症リスクが高まります。
また、顎関節症の治療のために矯正治療を行い、歯並びを整え噛み合わせが正常になったとしても、その他の要因がなくならなければ顎関節症が完治しないケースもあります。
顎関節症を予防するために矯正治療を行う必要は必ずしもありませんが、顎関節症の原因の1つである噛み合わせの悪さを改善することによって、顎関節症の発症リスクを抑えることはできます。
歯並びの乱れや噛み合わせの悪さが、視力低下や小児喘息、体の歪みにつながるのではないかという憶測がネット等でささやかれています。しかし、いずれも科学的な根拠はなく、あくまでも噂の範疇です。
もしも、歯並びや噛み合わせに問題を抱えていて、それが全身の健康を損なう原因になるのではないかと不安を感じる場合は、ぜひ当院にご相談ください。
患者さまの現在のお口の状態を検査等で正確に診断し、治療の必要性を科学的見地から見極めます。