ドライマウス

ドライマウスとは

ドライマウス

ドライマウス(口腔乾燥症)は、唾液の分泌が不足することで口の中が乾燥し、不快感や様々な口腔内の問題を引き起こす状態を指します。正常な唾液分泌が行われている場合、唾液は食物の細かい粒子を剥がしたり、味を感じやすくしたり、口の中の細菌を抑制する役割を果たしています。

しかし、唾液が不足するとこれらの機能が低下し、口腔内に問題を引き起こす可能性があります。

ドライマウスになりやすい方

  1. 高齢者 加齢に伴う唾液腺の機能低下が影響するため、特に高齢者に多く見られます。
  2. 特定の病気を抱える方 糖尿病、自己免疫疾患(シェーグレン症候群など)、さらには癌治療を受けている方もリスクが高まります。
  3. 薬を服用している方 抗うつ剤、抗ヒスタミン薬、高血圧の薬など、一部の薬が副作用として唾液分泌を減少させることがあります。
  4. 生活習慣に起因する方 喫煙や過度のアルコール摂取もドライマウスのリスク要因です。

唾液の働きについて

食物の消化

唾液中に含まれる消化酵素が食物の分解を助けます。

口腔内の湿潤

口内を潤し、食物を飲み込みやすくします。

抗菌作用

唾液には抗菌物質が含まれており、細菌の増殖を抑える働きがあります。

歯の保護

唾液は口腔内のpHを中和し、歯を再石灰化する役割を持ち、虫歯や歯周病の予防に寄与します。

ドライマウスの症状について

口の乾燥感

常に口の中が乾燥して不快に感じます。

喉の渇き

喉の乾きや痛みを伴うことがあります。

舌の異常

舌が乾燥しやすく、味覚にも影響を及ぼすことがあります。

口臭

唾液の分泌不足により口腔内の細菌が増え、口臭が発生することがあります。

むせやすい

乾燥により飲食物をスムーズに飲み込むことが困難になります。

ドライマウスの原因について

ドライマウス原因

加齢

年齢と共に唾液腺の機能が低下することが原因になります。

病気

シェーグレン症候群や糖尿病などの病気により唾液分泌が減少することが原因になります。

薬剤の副作用

多くの薬が唾液の生産を抑えることが知られています。

治療法の影響

放射線治療や化学療法が唾液腺に影響を与える場合があります。

生活習慣

喫煙や過度のストレス、食生活の乱れも影響します。

ドライマウスの治療法について

ドライマウス治療風景
  1. 唾液の分泌を促す薬物療法医師の指導のもと、唾液を促進する薬剤を処方されることがあります。
  2. 人工唾液製剤の使用薬局や医療機関で購入できる人工唾液製剤を使用することで、口腔内の潤いを保つことができます。
  3. 生活習慣の改善水分補給、バランスの取れた食事、健康的な生活習慣の確立が重要です。
  4. 定期的な口腔ケア口腔内の清潔を保つためには、定期的な歯科検診や適切な口腔ケアが推奨されます。

ドライマウスにならないように
するための予防法

  • 十分な水分補給でこまめに水分を摂取し、口腔内の乾燥を防ぎます。
  • 口呼吸を避け、鼻呼吸を心がける等、口を乾燥させないための工夫が必要です。
  • 喫煙や過度のアルコール摂取を控えることで、唾液分泌が改善される場合があります。
  • ビタミンやミネラルを豊富に含む栄養バランスの良い食事を心がけ、口腔内の健康を維持します。
  • 定期的な歯科受診で早期に問題を発見し、適切なケアを受けることが重要です。