成人矯正

成人の矯正治療について

成人の矯正治療について

歯並びが悪いまま、
そのままだとどうなるでしょうか?

歯並びがよくない理由のほとんどは、口をぽかんと開けたまま呼吸や、舌の癖(くせ)で歯を押すためといわれます。口呼吸の状態では、お口の中が乾いた状態が続くので、自身の歯が歯周病(歯槽膿漏)になったり・口臭などの原因になります。

また、いびき、もしくは睡眠時無呼吸症候群の原因の一つになります。つまり、歯並びがひどいまま放置していると、歯への負担が大きくなり、自身の歯が抜けたり、歯並びが悪くなることで、お口の中全体が悪化することにもなりかねません。

見方を変えると、歯は食事をするための、すりつぶしの役割の一旦を担っています。お口は消化器の1つと考えています。歯が役割を果たせないと、その分、胃腸に大きな負担がかかります。これらのことからも、歯並びがひどくなった原因を突き止め、少しでも早く歯並びを治療し、健康的な生活のために共に頑張りましょう。

成人なってから歯並びの治療(歯列矯正)をはじめようとする理由は、患者様により様々です。しかし、歯列矯正治療の内容や期間、費用のことなど、わからない点も沢山ありますよね。

ここでは、大人の歯列矯正治療をする際にご注意いただきたい大切なことについて説明しますので、参考にしていただければと思います。

歯列矯正治療をはじめる主な理由

一番多いのは、社会に出たことで、他の会社の方やお客様など、より多く接する機会より自分の歯並びにコンプレックスを持つようになったため、という方です。

他にも、歯並びがよくないと友達に言われたことなどから、今までずっと歯列矯正治療をしたかったものの、学生なのでその治療費が用意できず、社会人になってようやく目処がたったという方もおられます。

最近では、仕事がサービス業のためマスクができなかったのですが、新型コロナウイルスのために日中もマスクをつけることになったため、歯列矯正をされる方も増えています。

成人の歯列矯正で大切な注意点について

  1. 治療費について治療費の内容については、治療開始前にきちんとチェックしてください。治療にかかる全ての金額が書かれている時と、矯正装置の治療費が別に書かれている時がございます。
    後で想像以上に費用がかかった、ということにならないよう、総額がいくらなのか、おおよそどれくらいの金額をみておくべきかを事前に確認しておきましょう。
  2. 治療期間について歯列矯正は、治療期間がとても長期間にわたるものです。平均して約2年くらいかかります。治療をする前に、矯正治療計画の全体の説明と、治療期間のおおよその目安を確認しておきましょう。
    当院は、症例によって多少の誤差はありますが、抜歯しない症例で約2年ほど、抜歯をする症例は抜歯する分の歯の移動が大きいため、約2年を超えることが多いです。
    当院では、日本矯正歯科学会に所属する経験豊富な歯科医師が矯正治療を行っています。治療の進捗状況をこまめにチェックし、治療の遅れが少ないよう治療内容を調整しておりますので、全体の治療期間に見通しもきちんと説明できます。
  3. 失敗例について歯科医院で歯列矯正治療を行った後、後戻り(再発)がはじまったとご相談に来られる患者様がよくいらっしゃいます。
    歯並びが悪くなった理由が遺伝的な原因ではなく、口呼吸や舌癖(くせ)などにより生じた問題であれば、歯列矯正の治療の時にあわせて、これらの原因も対応していかなければなりません。

成人矯正の特徴

成人矯正の特徴

大人の矯正は、見た目の改善だけでなく、噛み合わせや口腔機能を向上させることを目的としています。子どもの矯正と異なり、顎の成長を利用できないため、歯を動かして理想的な歯並びに整えます。

大人の矯正の主な特徴

噛み合わせの改善ができる
顎関節症の予防・改善にもつながる
虫歯や歯周病のリスクを軽減できる
歯並びが整うことでセルフケアがしやすくなる
治療期間は
子どもより長くなることが多い
顎の成長が完了しているため

大人になっても
気になる歯並びは治せる?

大人の矯正に年齢制限はなく、何歳からでも矯正治療は可能です。ただし、以下のような場合は、矯正治療前に別の治療が必要になることがあります。

  • 歯周病が進行している場合
    (歯茎の状態を改善してから矯正を開始)
  • 重度の虫歯がある場合(虫歯治療を優先)
  • 顎関節に問題がある場合
    (矯正治療と並行して顎の治療を検討)

こんな方は矯正治療がおすすめ

前歯のガタガタが気になる方 軽度でも印象が大きく変わる
出っ歯・受け口が気になる方 噛み合わせを改善し、見た目も整う
口元のバランスを整えたい方 Eラインをきれいにすることで横顔の印象が変わる
噛み合わせが悪く、食事がしにくい方 咀嚼機能の向上にもつながる
歯並びが原因で
虫歯や歯周病になりやすい方
清掃しやすくなることで予防効果が期待できる

抜歯になるケースと
ならないケースの違い

抜歯が必要なケース

  • 歯並びが極端にガタガタで、スペースが足りない場合
  • 上顎や下顎のバランスを整える必要がある場合
    (出っ歯・受け口の矯正)
  • 噛み合わせを改善するために抜歯が必要な場合

非抜歯で矯正できるケース

  • 軽度の歯列不正で、歯を削ることでスペースが確保できる場合
  • 顎の大きさに対して歯のサイズが適切な場合
  • 拡大装置を使い、歯列を広げることでスペースを確保できる場合

成人矯正の種類

マウスピース矯正(インビザライン)

マウスピースによる矯正治療として、国内のみならず、世界的に有名で実績のあるインビザラインを当院では採用しています。金属を使わないので金属アレルギーの方に使えます。

また透明なので、目立ちません。取り外しが簡便で、食事をしたり、歯磨きもしやすいので衛生的にも安心です。およそ2週間おきに交換しながら歯を移動させます。ただ、歯の移動が大きい場合はワイヤー矯正も併用することがあります。

マウスピース矯正(インビザライン)

成人矯正の
メリット・デメリット

成人矯正のメリット・デメリット

大人になってからでも矯正治療を受けることで、歯並びの改善だけでなく、噛み合わせや口腔内の健康にも良い影響を与えることができます。ただし、子供の矯正と比較すると、大人ならではのメリット・デメリットが存在します。ここでは、それぞれのポイントを詳しく解説します。

メリット

口元の見た目が改善され、自信を持てる

  • 歯並びが整うことで、笑顔が美しくなり、見た目の印象が良くなるため、自信を持てるようになります。
  • 歯並びが悪いことによるコンプレックスが解消され、人前で話したり、写真を撮ったりすることに抵抗がなくなる方も多いです。
  • 矯正によって横顔のEライン(鼻・唇・顎を結ぶライン)が整い、口元がすっきりするケースもあります。

虫歯や歯周病のリスクが低下する

  • 歯並びが悪いと歯ブラシが届きにくく、汚れが溜まりやすいため、虫歯や歯周病の原因になります。
  • 矯正によって歯が整うと、歯と歯の間の清掃がしやすくなり、口腔内を清潔に保ちやすくなるため、虫歯や歯周病のリスクが低下します。

噛み合わせが改善し、
健康面にも良い影響がある

  • 噛み合わせが悪いと、食べ物をしっかり噛めず、消化器官に負担をかけることがあります。
  • 矯正治療で噛み合わせを整えることで、食事をしっかり噛めるようになり、消化・吸収がスムーズに行われるため、胃腸への負担が軽減されます。
  • また、噛み合わせが良くなることで、発音の改善や顎関節症のリスク低下にもつながります。

年齢を問わず治療が可能

  • 子供の頃に矯正を受けられなかった方でも、大人になってから治療を受けることで、歯並びを整えることができます。
  • 近年では、透明なマウスピース矯正(インビザラインなど)といった、目立ちにくい矯正方法も選べるため、大人でも矯正に取り組みやすくなっています。

将来的に歯を失うリスクを減らせる

  • 歯並びが悪いと、一部の歯に過剰な負担がかかり、歯の寿命が短くなることがあります。
  • 矯正によって噛み合わせを整えることで、歯への負担を均等に分散でき、将来的に健康な歯を長く保つことができる可能性が高まります。

デメリット

治療期間が長くなる可能性がある

  • 子供と違い、大人の歯や骨はすでに成長が完了しているため、歯が動くスピードが遅く、治療期間が長くなる傾向があります。
  • 通常、大人の矯正は2〜3年程度かかることが多いですが、歯の状態によってはそれ以上の期間が必要になることもあります。

抜歯が必要になる場合がある

  • 顎のスペースが足りない場合、歯をきれいに並べるために抜歯が必要になることがあります。
  • 抜歯を避ける方法もありますが、治療計画によっては抜歯を選択することでより美しい仕上がりになるケースもあります。

矯正装置による違和感や痛み

  • 矯正装置を装着すると、最初は口の中に違和感を感じたり、食事がしにくくなったりすることがあります。
  • また、歯が移動する際に、装置の締め付けによる痛みを感じることもありますが、通常は数日〜1週間程度で慣れることがほとんどです。

費用が高額になりやすい

  • 矯正は保険が適用されない自由診療のため、費用が高額になる傾向があります。
  • 分割払いや医療ローンを利用できるクリニックも多いため、事前に費用について相談することが重要です。

矯正中のケアが必要

  • 矯正装置を装着していると、食べかすが詰まりやすく、虫歯や歯周病になりやすいため、毎日のケアが重要になります。
  • マウスピース矯正(インビザラインなど)では、装着時間を守らないと治療が計画通りに進まないため、自己管理が求められます。

歯並びの乱れによる身体のトラブル

顎関節症のリスク増加 噛み合わせのズレによる負担
肩こり・頭痛 噛み合わせの乱れが全身に影響
虫歯・歯周病のリスク増加 歯磨きがしにくい
発音への影響 歯並びによっては発音が不明瞭になることも

矯正治療中に気をつけること

虫歯対策

  • フッ素入り歯磨き粉や歯間ブラシを活用する

クリーニング

  • 定期的に歯科でクリーニングを受け、プラークを除去する

生活習慣

  • 硬いものを避け、装置が壊れないよう注意する
  • 糖分の多い飲食を控え、虫歯リスクを下げる

成人矯正治療の流れ

成人矯正治療の流れ
  1. 初診・カウンセリング歯並びのチェック、治療のご説明
  2. 精密検査レントゲン撮影、口腔内スキャンなど
  3. 治療計画の説明期間や装置の種類などをご提案
  4. 矯正装置の装着実際に矯正装置を装着開始
  5. 定期的な調整約1ヶ月ごとに調整
  6. 治療完了・保定期間へリテーナーを装着し保定