MRC矯正
MRC矯正とは

MRC(Myofunctional Research Co.)矯正は、取り外し可能なマウスピース型の矯正装置を使用し、口のまわりの筋肉トレーニングを行って歯並びを治療する矯正方法です。歯並びを悪くした原因を改善し、顎を正常に発育・成長させ、歯並びが良くなった後も、後戻りをしないように口腔内の筋肉をつけます。
MRC矯正は、歯並びを改善するだけでなく、免疫力が上がることや、アトピー性皮膚炎、ぜんそくの改善、睡眠時無呼吸症候群の予防、顎が正常に発育することをⅠ期治療、Ⅱ期治療の前の小児期に行うことで、全身の健康に大きなメリットがあるのです。
目安として6歳~9歳のお子様を対象にMRC矯正を行っています。大人の前歯が数本生えてきた時期がスタートする目安です。この時期に治療を始めると、最も効果的に、口呼吸・舌低位・逆嚥下・姿勢を改善させ、顎を正常に発育させていくことが出来ます。
MRC矯正をご検討いただくうえで大事なことは、MRC矯正が本人とご家族のご協力が必要な矯正だということです。装置を使用しなければ治りませんし、トレーニングを行わなければ治りません。
MRC矯正をやるべき症状
以下のような症状があるお子様には、MRC矯正が適している可能性があります。
- 口呼吸をしている
(寝ているときに口が開いている、いびきをかく) - 舌の位置が低い
(舌が下の歯に当たっている、正しく発音できない) - 口元に力が入っている(口を閉じるときに唇に力が入る)
- 歯並びがガタガタしている
(永久歯が生え始めた段階でスペースが足りない) - 受け口(下顎が前に出ている)、
出っ歯(上の前歯が前に出ている)
MRC矯正は、歯並びだけでなく、正しい口腔機能の習得を目的とした治療です。お子様の成長を考えた矯正を希望される方は、ぜひ一度ご相談ください。
MRC矯正のメリット・デメリット

メリット
- 歯を抜かずに治療できる可能性が高い顎の成長を正しく促すことで、歯が並ぶスペースを確保しやすくなります。
- 口呼吸から鼻呼吸へ改善できる正しい呼吸習慣を身につけることで、健康面にも良い影響を与えます。
- 正しい舌や口周りの筋肉の使い方が身につく発音の改善や、歯並びの後戻り防止にも役立ちます。
- ワイヤー矯正に比べて痛みが少ない柔らかいマウスピースを使用するため、一般的な矯正治療よりも負担が軽減されます。
デメリット
- 子ども自身の協力が必要毎日のトレーニングや装置の装着をしっかり行わないと、十分な効果が得られません。
- 適用できる症例が限られる重度の歯並びの乱れや、外科的な矯正が必要な場合には適用できません。
- 効果が出るまでに時間がかかることがある成長に合わせて行う治療のため、個人差があり、結果が出るまでに時間がかかることがあります。
MRC矯正ができないケース

MRC矯正は、以下のようなケースでは適用が難しい場合があります。
- 顎の成長がすでに完了している場合
(成人の方や成長がほぼ終わった中高生など) - 骨格的な問題が大きい場合
(顎が極端に小さい・大きい、受け口が重度など) - 装置の装着やトレーニングが継続できない場合
(子ども自身が協力できない場合は効果が出にくい)
MRC矯正は何歳から可能?
5歳から8歳までにMRC矯正を始めることが出来れば、最も効果的に、歯並びを悪くさせている原因である口呼吸・舌低位・逆嚥下・姿勢を改善させ、顎を正常に発育させていくことが出来ます。
9歳、10歳でもMRC矯正を始めることも出来る場合が多くありますが、顎の発育状態により変わりますので、一度、歯並びのご相談ください。
MRC矯正の治療期間
MRC矯正では、2年〜3年間の治療期間(矯正期間)で終了することを目標としています。
しかしながら、歯科医院での月1の筋機能矯正のトレーニングに加え、ご自宅にて就寝時のマイオブレースの使用と3~5分のアクティビティーを行っていただけなかった場合には、原因である口呼吸・舌の癖・飲み込みの癖などの口腔習癖の改善がなされないため、十分な効果・結果とはならず、治療期間が延びてしまいます。
MRC矯正の流れ

- 初診相談・カウンセリング歯並びの確認、治療方法のご説明
- 精密検査レントゲン・口腔内スキャンなど
- 治療計画の説明治療期間や費用、具体的な治療方法をご案内
- 矯正装置の装着実際に矯正装置を装着
- 定期的な調整月1回
- 治療終了・保定装置の装着後戻りを防ぐためのリテーナー使用